口腔ケアとは、お口の検診にはじまり、お口の中の清掃、義歯の手入れや、咀嚼•摂食・嚥下などのリハビリテーション、口臭や口腔乾燥治療、食事の介護までを広く指します。
近年、口腔内細菌が原因の一つとされる誤嚥性肺炎や、細菌性心内膜炎、糖尿病、動脈硬化などの全身疾患にも口腔病変が影響を与えていることが分かってきています。
つまり、歯とお口のケアは、むし歯や歯周病予防のためだけでなく、全身の健康を守るためにとても大切であるということになります。
また、周術期、特に術前の口腔ケアは重要です。
周術期とは入院、麻酔、手術、回復といった術中と前後を含めた期間を言います。
例えば、ガンの治療の際に使われる抗ガン剤は口腔の副作用として口内炎など様々な症状を引き起こします。
そのため治療前に粘膜を傷つけている歯や詰め物が無いかチェックを受け、日頃から虫歯や歯周病を治療しておくことが重要です。
また、骨粗しょう症の治療の場合、代表的な薬物治療としてBP製剤が使用される事がありますが、BP製剤の使用前に歯科でチェックを受け、必要な歯科治療をすませることが推奨されています。
病気にならないことが一番ですが「備えあれば憂いなし」を合い言葉に、口腔ケアに取り組みたいものです。 |